趣 意 書
明治以来 避暑地として親しまれて来た軽井沢は、豊かな植生と自然に 恵まれ 私の家族も曽祖父の代より鉄道工事の関係もあり 深くかかわりを持っておりました。
又 そこに集う人々が織り成す文化や歴史の中で育まれ 幼い頃に親しんだのもそうした軽井沢の雰囲気であり 清澄な空気と楡の大木や
白樺・唐松の並木道そして多彩で可憐な野の花々でした。
海抜約九百四十米に位直する軽井沢は、本州の他の地域では珍しい種類の植物を含め千種類以上の植物が分布するとの事です。豊かな埴生は野
鳥や蝶類や小動物の格好な生息地を作り出し生物多様性の観点からも貴重な地域になっておりました。
この植生は農業生産を支える牛馬の為の入会地として利用されてきた事にも由来します。適度に人の手が入る共同管理が自然環境を良好に保 存する結果になっていたのです。
明治以降 第二次世界大戦を経て軽井沢も大きく変化して参りました。近年の飛躍約な高速交通の発達と新たな宅地開発や商業施設の進出は軽井沢の発展と同時に自然環境を大きく変化させつつあります。
私は、幼い頃より身近に咲いていた野に咲く花々松虫草・われもこう・節黒仙翁等々の花が環境の破壊等により徐々に失われてゆく姿に淋しさを 感じております。
私達に多くの楽しみや喜びを与えてくれた花々に恩返しが出来ればと願いこの地に昔からある豊かな植生を少しでも残して置く為に私の持つささやかな土地に野草園を造る事を思い立ちました。
野草を守り育てる事が敏速のかけがえのない資産として次世代に引き継がれ又環境保全に幾らかでも貢献出来ればと願っております。